降灰量の異なる2時期の裸地斜面の土壌水分の挙動

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タイトル別名
  • Behavior of soil moisture on a bare slope at two periods with different tephra fall

抄録

<p>降灰後の斜面における降雨に対する土壌水分の挙動を把握することは,降灰が斜面の表面流発生に与える影響を解明するうえで重要である。鹿児島市桜島では降灰量が経年的に変化しており,降雨に対する土壌水分応答も変化している可能性がある。本研究では,桜島の有村川流域の斜面を対象に,多灰期と少灰期における地表から深さ3 cm,10 cmの体積含水率(θ)の計測から,降灰量の多寡と土壌水分応答との関連性を考察した。降雨イベント中のθは,降灰量の多寡によらず2深度とも降雨量の増減に応じて変化したが,増減の傾向は多灰期と少灰期で異なっていた。総降雨量200 mm程度の降雨イベント時には,多灰期のθは鋭いピークを形成しており,深さ3 cmの方が深さ10 cmよりも常に高かった。一方,少灰期のθは緩やかなピークを形成し,2深度間の差は多灰期より小さかった。また表面流の発生割合および流出量の平均値は,少灰期の方が多灰期よりも大きく,少灰期にはθが多灰期より低い時にも表面流が発生していた。以上の結果から,対象斜面では降雨に対する土壌水分応答が降灰量の多寡で異なることが示され,この違いと表面流の発生割合や流出量との関連が示唆された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390290088582116480
  • NII論文ID
    130008117946
  • DOI
    10.11519/jfsc.132.0_523
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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