神経筋性脊柱側弯症に対する後方固定手術における周術期合併症の検討

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  • Perioperative complications in posterior spinal fusion surgery for neuromuscular scoliosis

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抄録

<p>はじめに:神経筋原性側弯症(NMS)手術の周術期合併症率が高いことが報告されている.本研究ではNMS手術の周術期合併症を調査し,危険因子について検討した.</p><p>対象と方法:NMSに対して後方矯正固定術を施行した126例を対象に,周術期合併症,手術時年齢,身長,体重,術前呼吸機能(%肺活量,1秒率),術前心機能(駆出率),歩行の状態,術前Cobb角,手術時間,術中出血量,骨盤固定の有無,側弯矯正率を調査した.周術期合併症は手術手技による合併症を除き,評価項目の周術期合併症発生の有無による2群間比較を行った.</p><p>結果:39症例(31.0%)に周術期合併症を認め,硬膜損傷など手術手技による合併症7例を除いた32例のうち呼吸器合併症12例,循環器合併症5例が含まれていた.合併症有群では有意に%肺活量が低く,術中出血量が多く,側弯矯正率が不良であった(p<0.05)が,多重ロジスティック回帰分析では%肺活量が低いことが独立した危険因子として抽出された.</p><p>結語:NMS手術の周術期合併症の発生率は高く,呼吸器合併症が多かった.周術期合併症を起こした群では,術中出血量多量,側弯矯正率不良であり,特に重度の拘束性換気障害は周術期合併症発生の危険因子である可能性がある.</p>

収録刊行物

  • Journal of Spine Research

    Journal of Spine Research 12 (11), 1332-1337, 2021-11-20

    一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会

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