P12-4 免疫介在性壊死性ミオパチー症例に対する理学療法の経験

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抄録

<p>【背景】免疫介在性壊死性ミオパチーは,特発性炎症性筋炎の一分類であり,筋病理学的に壊死と再生を繰り返し,治療抵抗性を有することが特徴である.本疾患に対する理学療法については未だ十分に報告されておらず,今回は</p><p>一症例を通じてそのアプローチ内容を検討した.</p><p>【症例提示】50 歳代女性.週に3 回事務仕事をしていた.入院前1ヶ月に免疫介在性壊死性ミオパチーと診断され,治療を目的として入院となった.入院時,経口ステロイド薬は50mg であり,入院後7 日から理学療法が開始となった.初回評価時,等尺性膝伸展筋力は0.180kgf/kg,6 分間歩行距離は359m と運動機能が低下していた.ADL は自立していたが,排泄以外はベッド上で過ごしていた.</p><p>【経過】理学療法は,筋力増強,運動耐容能の改善および職業復帰を目的として,20 分間/日を週5~6 回施行した.運動強度は修正Borg scale 2~4 の範囲内で,筋損傷の指標であるクレアチンキナーゼ(CK)値を基準にして調整した.内科的治療は,入院後11 日と32 日に免疫グロブリン療法,入院後38 日にステロイドパルス療法を行った.本症例は,CK≧1000 時,下肢運動に伴う下肢疲労が出現していたため,理学療法は低強度の筋力増強運動と全身持久力運動のみとし,病棟生活では時間を設定した歩行練習を指導した.また,CK<1000 時は中強度の筋力増強運動,全身持久力運動および階段昇降練習を行い,病棟生活では中強度の筋力増強運動を追加するよう指導し,経過中に筋痛や疲労感の症状が増強することはなかった.入院後45 日に経口ステロイド薬が35mg,CK が400</p><p>に低下し,退院となった.等尺性膝伸展筋力は0.168kgf/kg,6 分間歩行距離は416m に改善し,病院内を活動できるようになった.また,自主トレーニングの自己管理が可能となった.</p><p>【結語】免疫介在性壊死性ミオパチー症例において,修正Borg scale とCK 値を指標とした理学療法アプローチは,有効である可能性が考えられた.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390290229666534656
  • NII論文ID
    130008121342
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.40.0_183
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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