P16-4 後縦靭帯骨化症による歩行障害へ神経筋電気刺激療法や動的関節制御練習で運動学習を図 り独歩に至った症例

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抄録

<p>【症例紹介】50 代男性.X-1 年前より歩行困難が出現.胸椎に対し第1-9 胸椎除圧固定術施行(X 日).頚椎椎弓形成術を施行(X+30 日).車椅子レベルで当院転院(X+70 日).</p><p>【初期評価】右下肢 の表在・深部感覚は中等度鈍麻,足関節背屈制限(-5°/5°),Berg Balance Scale(以下,BBS)は</p><p>30/56 点であった.歩行はサークル型歩行器歩行見守り,右立脚期のフォアフットロッカー・トゥロッカー機能は得られず,遊脚期では足関節背屈不十分でクリアランス低下を認めた.10m 歩行テスト(以下10MWS)は,1.09m/秒.Functional Independence Measure(以下,FIM)は101/126 点.</p><p>【経過】X+71 日目:理学療法開始.X+79~84 日目:前脛骨筋に対し神経筋電気刺激療法(以下,NMES)開始. X+86 日目:病院内サークル型歩行器歩行自立.X+88~98 日目:足関節の動的関節制御練習開始.X+103 日目:屋内独歩見</p><p>守り.X+106~126 日目:院内外T 字杖歩行自立.X+138 日目:自宅退院.</p><p>【最終評価】表在・深部感覚は軽度鈍麻に改善し右足部のみ.足関節背屈は0°/10°,BBS は53/56 点となった.歩行は,病院内外T 字杖歩行自立,10MWS は1.52m/秒(独歩)となった.退院時のFIM は122/126 点.</p><p>【考察】右足関節背屈制限や表在・深部感覚鈍麻により右立脚中~後期にかけて足関節コントロール不良による動的バランス低下や右遊脚期のクリアランス低下を認めた.動的バランス低下は,表在・深部感覚鈍麻による身体図式の誤認識や神経-筋のコントロール不良によるものと考え,前脛骨筋の神経筋再学習のためNMES と併用し動的関節制御練習を実施した. 結果,動的バランスが向上し,院内外T 字杖歩行自立に至ったと考える.松本ら(2012 年)は,胸椎後縦靭帯骨化症は予後不良と述べているが,NMES を併用し足関節の動的関節制御練習を実施することで,歩行能力が改善される可能性が示されたと考える.</p><p>【倫理的配慮】本研究はヘルシンキ宣言を尊守し,個人が特定できないよう配慮した.症例には書面にて研究の趣旨を説明し,同意を得た.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390290229666542720
  • NII論文ID
    130008121366
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.40.0_201
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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