O11-1 体幹機能に対する自主練習の付加が運動機能の改善に及ぼす影響についての検討

  • 山崎 雄一郎
    丸木記念福祉メディカルセンター リハビリテーション科 埼玉医科大学大学院 医学研究科
  • 丸木 秀行
    丸木記念福祉メディカルセンター リハビリテーション科 埼玉医科大学病院 整形外科
  • 高石 真二郎
    丸木記念福祉メディカルセンター リハビリテーション科
  • 新井 智之
    埼玉医科大学保健医療学部理学療法学科
  • 北山 哲也
    甲斐リハビリテーションクリニック

Description

<p>【はじめに】 脳卒中片麻痺者に対する体幹への運動療法の付加はバランスや移動能力の改善に寄与するため、歩行獲得時の重要な要素の1 つである。加えて、運動量の増加には、自主練習の実施が重要になる。今回、体幹への自主的な運動療法を実施した1 症例の介入経過を未介入の1症例と比較することで自主練習の有効性を検討した。</p><p>【症例紹介】 症例1(自主練習実施者): 50 代女性。脳出血(左被殻)、転院時のBrunnstrom stage(Brs)は下肢2、長下肢装具で歩行練習を行い、78 病日、下肢Brs4、短下肢装具とT 字杖歩行が見守りとなり、自主練習を開始した。症例2(非実施者): 40 代女性。脳出血(左被殻)、転院時のBrs は下肢2、長下肢装具で歩行練習を行い、85 病日、下肢Brs3、短下肢装具と4 点杖歩行が見守りにて可能であった。理学療法(60 分/1 日)に加えて、症例1は自主練習として、包括的な運動と体幹への部分課題練習を指導し、カレンダーに実施回数、頻度の記載を促した。評価は、体幹機能をTrunk Impairment Scale 合計(TIS:点)、バランス能力をFunctional Reach Test(FRT:cm)、移動能力をTime Up and Go test(TUG:秒)を用いた。時期は症例1が自主練習開始前、症例2は見守り歩行可能時、2例共に1 カ月後に再評価をした。</p><p>【結果】症例1は、自主練習の実施率は全日を通して75%であった。TIS13→18、FRT19→28.5、TUG29.8→23.5 であった。症例2 は、TIS 14→14、FRT27.5→29、TUG36→35 であった。最終的に2 例共に支持物と短下肢装具を使用した歩行が自立した。</p><p>【考察】 歩行自立前の運動機能はほぼ同程度の2 例は、共に歩行獲得には至った。体幹への運動療法を付加した症例1 は、症例2 と比較し運動機能の改善幅が大きかった。体幹機能に対する自主練習の付加はバランス、移動能力の改善をより促進する可能性を示唆した。</p><p>【倫理的配慮】本研究はヘルシンキ宣言に従い,対象者へ研究の主旨,目的を説明し書面にて同意を得た。</p>

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390290229666865664
  • NII Article ID
    130008121449
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.40.0_61
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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