独居高齢者に対する情報通信技術(ICT)を介した認知行動療法的アプローチによる健康増進支援プログラム:実施可能性に関する予備的検討

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タイトル別名
  • A feasibility study for a support program to promote the health of elderly people living alone using a cognitive behavioral therapy approach through information and communication technology (ICT)

抄録

本研究では、独居高齢者の精神的健康の維持・向上を支援するツールの開発を目指し、ICTを介して認知行動的アプローチを提供する健康増進支援プログラムの実施可能性に関する予備的検討を行った。独居高齢者10名を対象に、スマートデバイスとして、オープンプラットフォーム「PaPeRoⓇ」(日本電気株式会社/以下、本ロボットとする)、タブレット、スマートフォンを用いて、活動記録、セルフモニタリング、行動活性化、健康に関する情報提供機能を含むプログラム「けんこう増進システム」を4週間提供した。 その結果、9名がプログラムを完遂し、有害事象も認めなかったが、介入前後で心理指標に有意な変化はなかった。研究参加者からは、プログラム内容や本ロボットの使用への肯定的評価がある一方で、プログラム内容、システムの安定性、デバイスの操作性に改善も求められた。 本プログラムは独居高齢者に安全に実施可能であると考えられたが、介入効果は明らかではなかった。本研究は予備的検討であり、今後は、本結果を踏まえ、ICTと認知行動的アプローチを組み合わせたプログラムについてさらに改良する必要がある。

収録刊行物

  • 予防精神医学

    予防精神医学 5 (1), 76-86, 2021

    日本精神保健・予防学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390290239005280896
  • NII論文ID
    130008124019
  • DOI
    10.24591/jseip.5.1_76
  • ISSN
    24334499
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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