同一性と首尾一貫感覚がコーピングに及ぼす影響―同一性と首尾一貫感覚のクラスター分析による類型化の試み―

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  • The Influence of Identity and Sense of Coherence on Coping

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抄録

<p>問題と目的:乳幼児期と青年期の経験が大きく影響すると言われているSOCと青年期の心理発達的課題である同一性は,青年期が重要な時期であるという点で共通している。本研究では,SOCと同一性の形成過程にある大学生を対象とし,これらの要素で類型化を行いSOCと同一性の関連を見る。また,抽出された類型化の特徴をコーピング特性で捉える。方法:対象者は大学生256名。調査期間は2017年から2019年。調査用紙は①首尾一貫感覚(Antonovsky,1987),②同一性(加藤,1983),③ストレスコーピング尺度(佐々木・山崎,2002)。結果:SOCと同一性(現在の自己投入,過去の危機,将来の自己投入の希求)でのクラスター分析の結果,全得点が高い群(C1),中程度の群(C2),低い群(C3)とSOC得点が最も高いが過去の危機体験が少ない群(C4)が抽出された。クラスター間のコーピング特性比較ではC1,C2,C3間では違いがあったが,C4では違いがなかった。考察:C4の SOCは高得点を示してはいるものの同一性における現在と将来の自己投入への意識はそれほど強くなく,さらには,過去の危機の経験が少ない特徴から,ここで形成されているSOCの脆さを示唆しているのではと考える。</p>

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