360度方向の情報に対する視空間認知支援: VR実験心理学

DOI Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluations of visual guidance effects for 360-degree directions around users: VR experimental psychology

説明

<p>VRは,ロボット,クレーン,ドローン等を用いた遠隔作業に応用される見通しである。具体的には,被操作機器のカメラ映像をヘッドマウントディスプレイ(HMD)に表示することで,操作者は被操作機器の周辺の情報を認識しつつ特定の作業を行える。一方,HMDの視野角は約110°であるため,視野角に入らない情報の視空間認知が課題とされてきた。本研究では,視空間ガイダンス技術を用いて360度方向に対する情報の認知を拡張する技術を開発し,その効果を評価した。実験では,妨害刺激と標的刺激をHMDに呈示し,360度の視覚探索課題を行った。標的の位置は,参加者の頭部を中心とした緯度と経度の組み合わせで定義され,それぞれ45度間隔であった。視空間ガイダンス技術として,凝視点の位置から標的の方向まで移動する枠,標的の方向を示す矢印・3Dレーダー,標的を中心とした放射線,標的から離れるにしたがって色が濃くなるグラデーションのいずれかが,探索の開始時に 500 ms間呈示された。その結果,背面の標的の検出速度は,矢印と3Dレーダーによって促進された。この結果は,矢印と3Dレーダーは視野角に入らない情報に対する空間認知を支援するうえで有効であることを示す。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ