直観像とマッカロー効果

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書誌事項

タイトル別名
  • Eidetic Imagery and McCollough Effect

説明

<p>直観像は外部空間に投射され視覚走査が可能で,文字通り目に見えると感得される知覚特性を強くもつ心的イメージであり,Hyperphantasia (Zeman, 2019) の特性のひとつにもあげられている。直観像保持者は視覚系の自発性興奮が末端まで生じやすい脳神経基盤をもつと考えられる。本研究では視覚性ファントム現象のひとつであるマッカロー効果(方向随伴性色彩残効)を用いて,直観像保持者(n=9)と統制群(n=19)の色彩残効強度の時間変化について比較検討した。本実験では赤背景横縞・緑背景縦縞の順応刺激を20秒ごと交替で5分間提示(順応期)後,テストパタン上に観察される色彩残効の色味の変化を2分ごとに24分間マッチング計測した。その結果,直観像保持者は統制群に比べてより強いマッカロー効果を示すことが確認された。共感覚者のマッカロー効果を調べた先行研究(Ramachandran & Marcus, 2017)では残効強度の減衰率の変化の違いが報告されているが,本実験では直観像保持者群では残効強度自体が強いことを示す結果が得られた。直観像保持者ではV1 とV4 (紡錘状回)の神経結合の強さよりは,むしろ腹側視覚経路全般の賦活容易性という神経特性をもつことが推察された。</p>

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