海洋乱流現象を特徴付ける種々のスケールと無次元数,並びに渦拡散係数の推定

  • 中野 知香
    東京海洋大学 現)産業技術総合研究所環境創生研究部門環境生理生態研究グループ
  • 吉田 次郎
    東京海洋大学

書誌事項

タイトル別名
  • Scales and non-dimensional numbers characterizing ocean turbulence and their practical application for estimating eddy diffusivities
  • カイヨウ ランリュウ ゲンショウ オ トクチョウ ツケル シュジュ ノ スケール ト ムジゲンスウ,ナラビニ ウズ カクサン ケイスウ ノ スイテイ

この論文をさがす

抄録

<p>鉛直渦拡散係数の強さは海洋大循環の構造に寄与し,ひいては気候変動に影響を及ぼすことが知られている。そのため鉛直渦拡散係数の全球的な推定が求められているが,限られた航海時間で推定に用いる乱流(粘性散逸率ε)の直接観測を重点的に行うことは難しい。また,観測を行えたとしても乱流のエネルギー源となる風・潮汐・内部波の砕波・海面冷却など多岐にわたる現象を理解するとともに,膨大な量の乱流自身を特徴付けるパラメータについて理解しておく必要があるため,統一的に理解しづらいのが現状である。そこで本総説では,海洋乱流現象を解析する上で用いられる数mm から数10m に及ぶ長さスケール,無次元数の持つ意味について整理するとともに,特に船舶観測データを用いた海洋乱流エネルギー散逸率の推定方法について解説を行う。</p>

収録刊行物

  • 海の研究

    海の研究 30 (6), 255-275, 2021-12-15

    日本海洋学会

参考文献 (55)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ