有茎腹直筋皮弁を用いた会陰再建後に筋皮弁温存骨盤内臓全摘術を施行した1例

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  • Local Recurrence after Abdominoperineal Resection with Vertical Rectus Abdominis Musculocutaneous Flap:A Case Report of Pelvic Exenteration with Preservation of the Flap

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抄録

<p>症例は75歳,男性.1年前に前医で,痔瘻癌に対する腹会陰式直腸切断術および右腹直筋皮弁による会陰再建が施行された.病理組織診断は粘液癌,pT4N0M0で,R1切除であった.今回,術後局所再発を指摘され当科を受診した.CT検査では,前立腺の右側で腹直筋皮弁の腹側に30mm大の嚢胞性腫瘤が存在し,穿刺生検で印環細胞癌を認めた.筋皮弁の主栄養血管である右下腹壁動静脈への浸潤はないと判断し,腹直筋皮弁温存の骨盤内臓全摘術を施行し,R0切除が得られた.</p><p>会陰部へ広範に進展する直腸癌や痔瘻癌では切除後に腹直筋皮弁による会陰再建が行われることは少なくない.しかし,術後に局所再発をきたせば,再手術時に筋皮弁の取扱いに苦慮することは想像に難くない.栄養血管の温存は技術的難易度が高く,時として癌に近付き根治性を損ないかねないため,適応は慎重に考慮すべきであるが,筋皮弁切除を回避できたメリットは大きかった.</p>

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