Open wedge高位脛骨骨切り術におけるCTを用いた外側ヒンジ骨折評価

Search this article

Description

<p>目的 : Open wedge高位脛骨骨切り術 (OWHTO) において外側ヒンジ骨折 (LHF) は骨癒合遷延のリスクとなる。LHFは単純X線像による竹内分類で評価されることが多いが, CTを用いて3次元的に評価したものは少ない。本研究の目的はOWHTOにおけるLHFや骨癒合経過に関してCTを用いて経時的に評価することである。</p><p>方法 : 2017年9月から2020年2月までにOWHTOを施行し, 術後経時的にCTを撮影した59膝 (手術時年齢 ; 66.8±11.5歳, 平均開大幅 ; 10.4±2.6mm) を対象として後ろ向きコホート研究を行った。単純X線像, CTを術後1週, 6週, 3か月と経時的に撮影し, LHFの発生率, LHFのType分類, ヒンジ部の骨癒合経過を評価した。LHFは竹内分類に加えてCTで前後方向の骨折を評価した (前方骨折 : A, 後方骨折 : B, 前方+後方 : C)。術後LHFを認めなかったが術後6週で初めて同定できたものをlate LHFと定義した。また, 術後3か月のCTでヒンジ部の骨癒合が得られていないものを骨癒合遷延とした。</p><p>結果 : 術後1週までに単純X線像で判明したLHFは7膝 (12%), CTでさらに17膝 (29%) が同定可能であった。Late LHFを11膝 (19%) に認め, 最終的なLHFは35膝 (59%) であった。骨癒合遷延は15膝 (25%) に認め, CTによるLHF分類では前方から後方へ骨折線を認めるType 1Cが11膝, Type 2C 2膝, 複合型2膝であった。CTでLHFを認めなかった24膝は術後3か月で全例骨癒合を得られていた。骨癒合遷延の危険因子はLHF Type 1C (odds比194.6: P<0.01), 男性 (odds比22.5: P<0.05) であった。</p><p>考察 : 術後単純X線像のみではCTと比べLHFを過小評価しており, 荷重開始後に新たに発生するlate LHFを少なからず認めた。本研究の結果から安定型で骨癒合に影響がないとされているType 1骨折であっても, CTで前方から後方に骨折がある場合, 骨癒合が遷延していた。</p>

Journal

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top