「汚物」に転落したとき、屎尿処理の新しい歴史が始まった

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タイトル別名
  • A new history of human waste disposal began when it fell from "value" to "filth"

抄録

<p>私たちは、「汚いもの」の代表とされるウンチは、オシッコとともに、清潔な温水洗浄便器に排泄し、下水道を通じて衛生的に処理されている。下水道は、都市空間に縦横に張り巡らされ管渠が不可欠で、布設には長い年月と膨大な費用か必要である。京都市では、昭和9年の吉祥院下水処理場が初めてである。幸いなことに、屎尿は昔から貴重な肥料として活用され、農家が汲み取りに来てくれ、大正頃までは、その代価さえ受け取ることができた。藤原九十郎は、屎尿が有価物として取り扱われた「有価物」の時代、汲み取りに金銭を要した「廃棄物」の時代、移行期の「無償」の時代の三つに分けている。京都では、大正中頃に、屎尿は、「有価物」から「廃棄物」へ転落する。これにより、屎尿の処理は都市としての対応が迫られるが、それは、新しい屎尿処理の時代の幕明けである。その歩みをたどることにより、廃棄物と人間社会の係わりを考えたい。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390290537431801216
  • NII論文ID
    130008136159
  • DOI
    10.14912/jsmcwm.32.0_127
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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