原発性肺癌を合併した肺tumorletの2例

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タイトル別名
  • Two Cases of Pulmonary Tumorlet Complicated by Primary Lung Cancer

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抄録

<p>背景.肺tumorletは神経内分泌細胞の過形成と考えられる腫瘤性病変で,慢性呼吸器疾患の切除肺で偶然発見される.その多くは慢性炎症性肺疾患に伴うものであるが,原発性肺癌との合併はきわめて稀である.症例.症例1は67歳女性,喀血で受診し,右下葉にCTで50 mm大の腫瘍と同側肺門リンパ節の腫脹を認めた.気管支鏡下で生検を行い,非小細胞癌と診断し,右下葉切除を行った.手術検体からsquamous cell carcinomaを一部に伴ったadenocarcinomaと診断されたが,腫瘍組織の近傍に3 mm大のtumorletを認めた.症例2は胸部単純X線写真で異常陰影を指摘され当科を受診,CTで右中葉S5に40×30 mm大の腫瘤があり,近傍に3 mm大の微小結節を認めた.右中葉切除を行い,病理組織検査を行ったところadenocarcinomaの診断となり,腫瘍近傍に3×1.5 mmのtumorletを認めた.結語.肺tumorletは悪性腫瘍との鑑別が重要となるが,希少であるため報告数も少ない.原発性肺癌を合併した肺tumorletを2例経験したため報告する.</p>

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 61 (7), 959-963, 2021-12-20

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

参考文献 (13)*注記

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