非定型縊頸にて搬送後に気道狭窄および両側声帯麻痺が顕在化した1例

  • 白﨑 加純
    聖路加国際病院救急部・救命救急センター
  • 渡辺 悠
    聖路加国際病院救急部・救命救急センター
  • 一二三 亨
    聖路加国際病院救急部・救命救急センター
  • 大谷 典生
    聖路加国際病院救急部・救命救急センター

書誌事項

タイトル別名
  • Upper respiratory stenosis and bilateral vocal cord paralysis occurred after atypical hanging: A case report
  • ヒテイケイイケイ ニテ ハンソウ ゴ ニ キドウ キョウサク オヨビ リョウガワ セイタイ マヒ ガ ケンザイカ シタ 1レイ

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抄録

<p>非定型縊頸後の軟部組織腫脹増悪による上気道閉塞で緊急気管挿管となった1 例を経験したため報告する。精神疾患の既往のない77歳,男性。縊頸を図り不完全縊頸の状態で長時間吊られている状況を発見救出され当院搬送となった。来院時会話可能であったが,診察中に上気道の腫脹が増悪し呼吸状態悪化のため気管挿管を行った。第16病日に抜管を試みたが,喘鳴出現のため再挿管となり同日気管切開術を施行した。精査にて両側声帯麻痺を認め,嚥下機能障害も合併していたため早期の気管切開チューブの抜去は困難と判断し,第73病日に気管切開チューブを挿入したまま精神科病院へ転院となった。長時間の気道周囲の軟部組織圧迫が危惧される患者においては,圧迫解除後に再灌流障害に伴う上気道閉塞をきたす恐れがあるため,緊急気道確保を行えるよう準備が必要である。軟部組織の腫脹による神経圧迫に起因する両側声帯麻痺を合併することがあり,抜管後に上気道狭窄症状を認めた際には両側声帯麻痺をきたしている可能性を念頭に置く必要がある。 </p>

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