サッカーにおけるオープンプレー得点率の簡便な予測手法の考案
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- 吉田 充
- 北海学園大学
書誌事項
- タイトル別名
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- Jリーグの攻撃回数、ペナルティエリア侵入回数、およびシュート数から
抄録
<p>緒言:ゴール型スポーツの得点確率は、攻撃回数×シュート成功率の相乗効果によって高めることができると言われている。近年では、サッカーにおいても、シュートの角度や距離データなどに基づいた詳細な分析によって、ゴール期待値として示され活用されている。しかし、その分析には専門的知識や機材が必要なため、現場で活用するには制約が大きいことも指摘できる。そこで、本研究では、サッカーにおけるオープンプレー時得点率を、現場で誰でも観測可能なデータから求める手法について考案し、チーム指導や戦術構築の基礎的資料を得ることを目的とする。方法:分析には、Football LABが提供する、2020年におけるJ1、J2、およびJ3リーグの試合スタッツデータを使用した。分析対象は、攻撃回数、シュート数、ペナルティエリア(PA)侵入回数、およびオープンプレー(OP)得点数(PKおよびセットプレーからの得点を除く)とした。結果:①攻撃回数の3リーグの平均値は、118.33(±6.69)回で、上位と下位チーム、各リーグでの差は見られなかった。②各リーグにおけるOP得点数との関係を検討した結果、PA侵入回数(J1:r=.872,J2:r=.716,J3:r=.536)、およびシュート数(J1:r=.863,J2:r=.655,J3:r=.762)に、有意な正の相関が見られた。③J1の得点上位と下位5チームに分けて、平均値の差を検討したところ、PA侵入回数(t=2.86,p<.05)とシュート数/攻撃回数(t=3.74,p<.01)に有意差が見られた。結論:制限された攻撃回数の中で、いかに効率よく相手ゴールへ近づき、シュート回数を増やせるかが、得点を増やすためには重要であることが示唆された。また、現場でリアルタイムに観測可能な2つの要素から得点率を予想するモデルを考案できるであろう。</p>
収録刊行物
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- 日本体育・スポーツ・健康学会予稿集
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日本体育・スポーツ・健康学会予稿集 71 (0), 439-, 2021
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390290537433177472
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- NII論文ID
- 130008137382
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- ISSN
- 24367257
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可