心不全の新たな治療標的としての自然炎症

DOI Web Site Web Site Web Site 参考文献11件 オープンアクセス
  • 末冨 建
    山口大学大学院医学系研究科器官病態内科学(内科学第二)

書誌事項

タイトル別名
  • Sterile Inflammation as a Novel Therapeutic Target to Heart Failure
  • シンフゼン ノ アラタナ チリョウ ヒョウテキ トシテノ シゼン エンショウ
  • 心不全の新たな治療標的としての自然炎症 : 中村賞受賞者
  • シンフゼン ノ アラタ ナ チリョウ ヒョウテキ ト シテ ノ シゼン エンショウ : ナカムラショウ ジュショウシャ

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抄録

<p> 高齢化に伴い本邦の心不全患者は今後もしばらく増加するとみられている.かたやその治療法については大半が対症療法にとどまっており,心不全の病態に根本的にアプローチする治療が求められている.そのような中,最近の大規模臨床試験の結果から,心機能低下に自然炎症が関与しているという既知の事実が再び注目されている.自然炎症は損傷組織由来の成分(DAMPs)の認識により引き起こされるほか,細胞損傷がみられない段階においても,カルシウム調節因子の異常等に伴い心筋細胞内の炎症遺伝子およびNLRP3インフラマソームの活性化を経てもたらされ,その後の炎症性細胞の浸潤や心筋線維化,心機能低下につながることが示されている.自然炎症と慢性心不全の関係が明らかになることで,炎症シグナルの選択的制御が新たな治療標的として期待される.</p>

収録刊行物

  • 山口医学

    山口医学 70 (2), 65-69, 2021-05-13

    山口大学医学会

参考文献 (11)*注記

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