タイムプレッシャーの強度と反応時間および正答率との関係

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  • フランカー課題からの検討

抄録

<p>競技場面における心理的ストレッサーの一つにタイムプレッシャー(TP)があり、プレッシャー研究においても活用されている(e.g., 大久保ほか、2015)。しかしながら、TPの設定方法は研究によって異なり、明確な基準が確立されていない。そこで本研究では、フランカー課題におけるTPの強度が反応時間および正答率に及ぼす影響について検討することを目的とした。実験参加者は、体育系のA大学に所属する学生12名(男性9名、女性3名、平均年齢19.58±1.00歳)であり、エディンバラ利き手テストによって右利きと判定された者であった。課題にはTPの強度を操作したフランカー課題を用いた。反応様式には両手をクロスせず反応するNon-Cross条件と両手をクロスして反応するCross条件を設けた。TPの強度は250、300、350、400、450msとし、各条件128試行実施した。その結果、Non-Cross条件では、300、350、400、450ms条件における一致試行は不一致試行より反応時間が有意に早かった。また、250ms条件は300、350、400、450ms条件より正答率が有意に低下した。一方で、Cross条件では、350、400、450ms条件における一致試行は不一致試行より反応時間が有意に早かった。また、250ms条件は300、350、400、450ms条件より、300ms条件は350、400、450ms条件より正答率が有意に低下した。本研究では、Non-Cross条件において250ms条件で、Cross条件において250、300ms条件でフランカー効果がみられなかった。Merkel(1885)の実験データでは2選択場面に必要な反応時間は300ms以上であることを報告している。よって、実験参加者は課題に対して予めに決め打ちすることで選択肢を限定し、TPに対応していた可能性が示された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390290537434954496
  • NII論文ID
    130008137168
  • DOI
    10.20693/jspehssconf.71.0_267
  • ISSN
    24367257
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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