ドローン空中電磁探査法による濃尾平野西濃地域の地質構造調査

書誌事項

タイトル別名
  • Geological survey of the Seino area in Nobi Plain by drone airborne electromagnetic survey method
  • ドローン クウチュウ デンジ タンサホウ ニ ヨル ノウビ ヘイヤ セイノウ チイキ ノ チシツ コウゾウ チョウサ

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抄録

<p> 空中電磁探査法には,地上に送信源を設置して空中で測定する空中電磁探査法と,空中から電磁波を発信して空中で受診する探査法がある。マルチコプター(以下ドローン)を使った探査法は,地上に送信源を設置して探査する地表ソース型空中電磁探査法(D-GREATEM)が開発され実用化されている。空中から電磁波を発信する探査法も送信装置が小型軽量化され,送信装置と受信装置を曳航したドローンを2機同時に飛ばして測定するD-TEMが実用化された。D-TEMは1機のドローンで送信装置を曳航し,もう1機のドローンで受信装置を曳航して測定する。</p><p> 大規模地震等の災害時に地下水を利用するための地下水利用システムの開発を目的として,濃尾平野をモデルとした地下水の涵養源である扇状地砂礫,沖積粘性土,断層について構造と水理特性を把握するために,西濃地区でD-GREATEMとD-TEMを実施した。D-GREATAEMは山地から扇状地にいたる連続した2測線,D-TEMは扇状地で1測線を,多雨期(9~10月)と小雨期(12月)にそれぞれ実施した。飛行測線は,同じ位置をプログラム飛行により再現した。既往資料との比較から地質構造,地下水位等を推定した。各探査法には運用する上での課題や限界があるが,多雨期と少雨期という2時期の探査を行うことにより,地質モデル,断層,地下水位などの地盤構造を把握できることが確認された。</p><p> ドローン空中電磁探査法は他の探査法に比べてデータ量が飛躍的に多く,地下の詳細な擬似3次元情報を簡便に取得できる探査法であり,ドローンの自動飛行によって同じ測定条件を再現できるため,時間変化を加えた4次元探査が可能である。今後,さまざまな分野の地質調査でドローン空中電磁探査技術が寄与することが期待できる。</p>

収録刊行物

  • 物理探査

    物理探査 74 (0), 142-150, 2021

    社団法人 物理探査学会

参考文献 (3)*注記

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