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- 笠谷 貴史
- 海洋研究開発機構海洋機能利用部門海底資源センター
書誌事項
- タイトル別名
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- Usage of autonomous underwater vehicle and autonomous surface vehicle for marine geophysical exploration
- カイヨウ ブツリ タンサ ニ オケル ジリツガタ カイヨウ ロボット ノ リカツヨウ
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説明
<p> AUVは,あらかじめプログラムされた情報に基づいて自律制御による航走を行う無人ロボットで,近年著しい発展がある。AUVは無索であるため,機体の運動の自由度が極めて高い。そのため,ROVの様に母船の動揺の影響を全く受けず,母船と共に動く必要が無いので,海底近傍で広範囲のデータ取得を迅速に行う事が可能である。巡航型のAUVは,一般的に測深機などの音響機器が搭載され,海底の微地形や詳細な底質情報を得るのに用いられてきたが,これに物理探査機器を搭載して物理探査を行う事例が増えつつある。例えば,磁力計や電位計を搭載し,海底熱水鉱床域において鉱体に伴うと考えられる異常を検出した事例が報告されている。また,複数のAUVを連携させた新しい試みとして,電流送信と電位計測を行う2機のAUVを用いて,電気探査と自然電位探査データを同時に取得し,熱水賦存域と一致する負の自然電位異常域と低比抵抗域の検出に成功している。また,同じ自律制御であるが,水面上を航行するASVも様々な開発が行われており,AUVとASVを用いて海域における物理探査の無人化・省力化が進むことが期待される。本解説記事では、これらのロボットに関する概説と、国内外の適応事例について紹介する。</p>
収録刊行物
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- 物理探査
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物理探査 74 (0), 131-141, 2021
社団法人 物理探査学会