土壌多層モデルを用いた陸面過程モデルによる地下水位解析手法の考察

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タイトル別名
  • A consideration on a simulation method of groundwater level in a land surface model using multi-layer soil model

抄録

<p>これまで陸面過程モデルSiBUCを用いて様々な解析が行われてきており,例えば小槻ら(2012)では全球陸域水循環モデルの主要な要素として全球規模での水資源量推定に使用された.しかし地下水について考慮されてこなかった.そこで本研究では陸面過程モデルSiBUCを改良し,地下水を考慮可能とすることを目的とする.</p><p>SiBUCでは土層は地表に近い順に1~3層に分割され,第1層は蒸発が発生する表層,第2層は蒸散が発生する根層,第3層は第2層が乾燥した際に水分補給を行う再補給層となっている.これらの層の間での水分移動はリチャーズ式に基づき計算される.本研究では地下水を考慮するために,第3層よりさらに下方に第4層を設け,これを第3層下端から地下水面までの範囲に設定する.土壌第4層の層厚は,時間経過に伴い地下水位が上昇すると小さくなり,逆に地下水位が減少すると大きくなる.このように第4層の層厚は第4層の土壌水分量とともに変化するため,第4層内の土壌水分移動を解くための基礎方程式である質量保存の式に,層厚と土壌水分量の2変数が含まれることとなる.したがって2変数に対して式が1つ足りず,これらの変数間の関係式を新たに用いる必要がある.これを求めるために,本研究では土層を多層に分割し,リチャーズ式に基づいて土壌水分場を詳細に再現できる多層モデルを用いる.この結果2変数間には一定の関係が成り立つことがうかがえた.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390290559460312704
  • NII論文ID
    130008138061
  • DOI
    10.11520/jshwr.34.0_310
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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