急性虫垂炎術後の急性副腎不全の1例

  • 大石 裕佳
    国立病院機構横浜医療センター外科・消化器外科
  • 関戸 仁
    国立病院機構横浜医療センター外科・消化器外科
  • 松田 悟郎
    国立病院機構横浜医療センター外科・消化器外科
  • 清水 哲也
    国立病院機構横浜医療センター外科・消化器外科
  • 木村 準
    国立病院機構横浜医療センター外科・消化器外科
  • 鶴丸 裕司
    国立病院機構横浜医療センター外科・消化器外科

書誌事項

タイトル別名
  • Acute Adrenal Insufficiency after Appendectomy—A Case Report—
  • キュウセイ チュウスイエン ジュツゴ ノ キュウセイ フクジンフゼン ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は22歳,男性.発熱,右下腹部痛を主訴に当院に来院.血液検査所見と造影CTにて穿孔性虫垂炎と診断し,同日虫垂切除術+腹腔洗浄ドレナージ術を施行した.術翌日より39℃台の発熱が遷延し炎症反応再上昇を認め,腹腔内遺残膿瘍と診断し,第7病日に腹腔洗浄ドレナージを目的に再開腹したが,明らかな膿瘍形成を認めなかった.その後も発熱の遷延,炎症反応高値が続き,精査を進めたが確定診断には至らなかった.血中コルチゾール値を測定したところ,基準値内であったが手術侵襲の高ストレス下においては相対的低値と判断した.これに低Na血症と炎症反応高値の所見から術後急性副腎不全と診断し,ヒドロコルチゾンの投与を開始した.その結果,速やかに解熱し炎症反応と低Na血症も改善した.自験例のように既往のない症例であっても,侵襲を伴う外科手術後の合併症として急性副腎不全の可能性も念頭に置き,早期治療介入が必要である.</p>

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参考文献 (11)*注記

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