難聴児に対する医療・教育連携に向けた取り組み

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タイトル別名
  • 難聴児に対する医療・教育連携に向けた取り組み : 教師対象パンフレットの作成
  • ナンチョウジ ニ タイスル イリョウ ・ キョウイク レンケイ ニ ムケタ トリクミ : キョウシ タイショウ パンフレット ノ サクセイ
  • ―教師対象パンフレットの作成―

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抄録

<p> 難聴児の早期発見・療育, 人工内耳装用に伴い, 聴取能や言語発達は向上している. 加えて, 障害児の共生に向けた社会的体制の変化も伴い, 近年地域の学校でインクルーシブ教育を受ける児は増加している. しかし, 難聴児の聴取は補聴器や人工内耳を装用しても正常聴力児と同等ではなく, 大勢でさまざまな方向からの聴取を要する学校生活の環境において多くの場面で支障がある. また学年が上がるとともに学習面の限界や学力低下, 友人との関係性の問題などが出現する頻度が高く, 留意や配慮を要する. 加えて, 新型コロナウイルス感染症拡大予防策のマスク着用やソーシャルディスタンスにより, さらにコミュニケーションの支障は増大している. しかしながら, 担任教師であってもそれらの問題を正確には把握しにくく, 適切な配慮や支援が施されないことが多い. われわれはこれまでに実施した難聴児・者への質問紙による調査結果をもとに, 難聴児の直面している問題と支援について教師が実際に活用しやすい形式でまとめたパンフレット「難聴をもつ小・中・高校生の学校生活で大切なこと 先生編」を作成した. 難聴児の抱える問題は成長の段階で変化するため, 乳幼児期の補聴機器のフィッティングや言語訓練を中心とした指導で完結すべきではなく, 学齢に達しても専門的支援を継続する必要がある. 本冊子が難聴児の育成の一助となることに期待するとともに, 今後学齢期以降の支援を充実させるよう努めたい.</p>

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参考文献 (9)*注記

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