第122回日本耳鼻咽喉科学会総会シンポジウム 日本初の新規医療 中耳加圧療法

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  • 日本初の新規医療 中耳加圧療法
  • ダイ122カイ ニホン ジビ インコウ カガクカイ ソウカイ シンポジウム ニホン ハツ ノ シンキ イリョウ チュウジ カアツ リョウホウ

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<p> 難治性メニエール病・遅発性内リンパ水腫 (メニエール病等) に対する中耳加圧療法は2018年に保険収載された. 保険収載までの道のりは, 富山大学耳鼻咽喉科での2種類の臨床研究で始まった. 2000年に Meniett® の治療効果に関する研究が富山大学倫理審査委員会で承認された. 2003年にはメニエール病等に対する中耳加圧装置治療研究会が発足し, 国内多施設で Meniett® が使用されるようになった. 2011年に, 国内多施設共同研究による長期治療成績が発表され, Meniett® のめまいに対する有効性が証明された. Meniett® では鼓膜換気チューブ術が不可欠であり, 治療後に鼓膜穿孔例が見られることより, より低侵襲な圧治療器である鼓膜マッサージ機を代用とする臨床研究が2007年から富山大学で行われた. 2011年に鼓膜マッサージ機が Meniett® と1年間の治療成績で同等であることが証明されたが, メニエール病等への使用は適用外であり, 保険収載を目指してさらなる検討が必要となった. 2012年に受託した経済産業省課題解決型医療機器等開発事業では, 富山大学は企業と共同体を形成し, 難治性メニエール病等のめまい発作を無侵襲的に軽減する医療機器の開発がスタートした. 独立法人医薬品医療機器総合機構 (PMDA) での事前相談をもとに2014~2016年に富山大学と岐阜大学で企業治験が行われた. 治験成績をもとに PMDA に薬事承認申請を行った試作機はメニエール病治療機器として2017年に薬事承認され, 2018年9月に保険収載された. 保険収載時, 一般名称は中耳加圧装置と名付けられた. この収載に当たっては, 課題解決型医療機器等開発事業を受託した共同体の働きが大きな弾みとなった.</p>

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