正当化装置としての「正義」 : 正義概念がもつ心理的機能
書誌事項
- タイトル別名
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- セイトウカ ソウチ トシテノ セイギ セイギ ガイネン ガ モツ シンリテキ キノウ
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説明
近年、社会心理学においてはJustice の利他的側面が強調されているが、その利他的側面も長期的な利益性に基づく利己的な機能と考えられる。つまり、Justice には利己的な側面が含まれるために、その概念を個人の中で活性させることによって、内集団他者の利他的で公平な行動はもちろんのこと、利己的で不公平な行動もよりポジティブに評価されると考えられる。本研究ではJustice(正義、公正)の心理的機能を検討するために、正義と公正のそれぞれをプライミング(正義条件、公正条件、統制条件)したうえで内集団他者の公平で利他的な分配と不公平で利己的な分配(獲得的分配場面、報復的分配場面、平等的分配場面、回復的分配場面)に対する反応を検討した。その結果、統制条件に比べて正義条件では、内集団分配決定者の分配行動をよりポジティブに評価することが示された。しかし公正条件では有意な差が認められなかった。このことから、個々人が持つ正義の概念には利己的な側面が存在することが示唆され、そこに不公平な行動を正当化する心理的機能があることが指摘された。
収録刊行物
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- 対人社会心理学研究
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対人社会心理学研究 12 157-163, 2012
大阪大学大学院人間科学研究科対人社会心理学研究室
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390290699096840064
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- NII論文ID
- 120004843853
- 40019298840
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- NII書誌ID
- AA11550166
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- DOI
- 10.18910/9663
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- HANDLE
- 11094/9663
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- NDL書誌ID
- 023727209
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- ISSN
- 13462857
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDLサーチ
- CiNii Articles
- KAKEN