平安・鎌倉期にみられる日本的自然観の一考察 ―「草木成仏論」形成過程における自然観の比較考察を中心として―

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  • ヘイアン ・ カマクラキ ニ ミラレル ニホンテキ シゼンカン ノ イチ コウサツ : 「 クサキ ジョウブツロン 」 ケイセイ カテイ ニ オケル シゼンカン ノ ヒカク コウサツ オ チュウシン ト シテ

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抄録

仏教は一般に普遍的宗教あるいは世界宗教とみなされているが、それが発祥地のインドから世界各地に伝播し土着する過程において、その地域固有の特質をもつにいたったことは周知の事実である。それはそれぞれの地域で普及した仏教思想における自然観にも生きており、インドの「原始仏教」ならびに「如来蔵系経典」においては「ダルマ中心」的自然観、中国の「非情成仏論」においては「衆生中心」的自然観、そして日本の「草木成仏論」においては「自然中心」的自然観が見出せるのである。「自然」との一体性をもち、その心情を重視するような主観的感性を尊ぶ日本人の自然観は、宇宙の原理や法則などを追求しようとする「原始仏教」の「ダルマ中心」的発想をどのように変容させたのであろうか。仏教思想に見るインドと日本の自然観との比較文化的考察を中心とし、特に日本の「草木成仏論」の成立に至る思想的流れを中国の「非情成仏論」にも触れながら追ってみたい 。

収録刊行物

  • 言語と文明

    言語と文明 11 113-136, 2013-03-30

    麗澤大学大学院言語教育研究科

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