湖底堆積物中のRb/Sr比は気候変動の指標となるか

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  • The Rb/Sr ratio in Lake Baikal sediment for the last 33 kyr

抄録

南シベリア南東部に位置するバイカル湖より長さ436cmの堆積物試料を採取し、堆積物中の無機金属元素測定を行った。試料は1cm間隔で切り分けられ、試料間隔ごとの時間解像度は約70年と見積もられる。堆積物中のRb及びSrは、完新世(約11,700年前から現在)にかけて、それぞれKとCaに対して高い相関を示 した。一方、後期更新世(約33,000年前から11,700 年まで)においては、SrとCaは高い相関を示すが、RbとKに相関は見られなかった。乾燥化した時代において、Rbの濃集が起きていたと考えられる。Rb/Sr比の分布は、後期更新世において冬季モンスーン(East Asian winter monsoon)の指標である中国レス堆積物の粒度分布(Sun et al., 2011)とよく対応を示した。寒冷、乾燥期においてバイカル湖堆積物中のRb/Sr比が冬季モンスーンの指標となりうる可能性を示唆している。

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