第120回日本耳鼻咽喉科学会総会モーニング手術手技セミナー 甲状腺腫瘍手術

  • 折田 頼尚
    熊本大学大学院生命科学研究部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座

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  • 甲状腺腫瘍手術
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<p> 近年甲状腺内視鏡手術が保険収載され, ロボット手術等の分野も発展しつつあるが, まず重要なのは基本的な外切開による手術の習熟であると思われる. 甲状腺手術は良性腫瘍から進行癌まで, 術式の選択や手術の難易度はさまざまであるが, 各症例に応じた最適な手術を最短の時間と出血量で, そして可能な限り術後合併症を起こさないように行う必要がある. また, たとえ外切開による手術でも常に審美的観点に留意する必要があることも言うまでもない. 甲状腺手術は術後の呼吸, 発声, 嚥下機能にかかわるため, その手術を行うことによって術後どのような弊害が起きる可能性があるか十分に検討し患者に説明してから行う必要がある. 特に良性腫瘍や, 低危険度群の乳頭癌症例については, そもそも手術する必要があるのか否か, 手術を施行することが術後の弊害の可能性を上回る利益を患者にもたらすのかということを, 腫瘍の進行速度および患者の体力, 年齢, 社会背景等を考慮し適切に判断する必要がある. 比較的進行速度が遅いという特性も相まって, 甲状腺癌手術に関してはほかの癌種とは異なった考え方が必要となる. 高危険度群の症例においても, 気管壁のシェービングや反回神経からの腫瘍の鋭的剥離など, 甲状腺癌手術特有の温存手技を選択するのか, あるいは気管や咽頭喉頭食道などをしっかり合併切除する必要があるのかなど, 適切な判断を下す必要がある. 本稿の趣旨とは異なるため, 危険度に応じた治療選択についてはここでは述べないが, 主たる術式の留意点等を中心に解説させていただく.</p>

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