大規模大学でFDを組織化するための方法論

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タイトル別名
  • How to Organize the Faculty Development (FD) in the Large University
  • 特別寄稿 大規模大学でFDを組織化するための方法論
  • トクベツ キコウ ダイキボ ダイガク デ FD オ ソシキカ スル タメ ノ ホウホウロン

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抄録

1992年に北海道大学医学部ではじめた2泊3日のワークショップ型FD、1998年にはじめた北海道大学全学で1泊2日のワークショップ型FD、全国の大学から依頼された同様のFD、北海道医療大学での同様のFDの実施経験例を紹介し、大規模大学でFDを組織化するための方法論について考え、以下のようにまとめた。1)ワークショップ型FDが教員の意識改革に最も効果的である。2)ワークショップ型FD実施には、学長のリーダーシップが必須である。これにより、多様な分野の教員、多様な意識の教員を集めることができ、これが有効に機能する。3)ワークショップ型FDは、小グループ学習形式をとる。個々の教員が課題解決に参加せざるをえない状況で作業し、身で覚えることであり、必然的に意識改革させられる。これは、その後の授業改善、教育改善の力となる。4)FD研修とは別に、その大学の様々な教育の課題をとりあげ、改善、改革の具体をさぐる研究をする制度は、教育改善への人材開発に有用であり、これらの人材をFDのリーダースタッフにも育成できる。5)FDで取り上げる課題は、現実的であることが重要であり、またFDの成果を現実に教育改善に反映できる仕組みも必要である。6)変化が早い時代のニーズに応えていくためには、教育改革の仕組みが、大学のリーダーシップのもとに直で動くような組織体(たとえばFDの組織)と並列し、しかも自立的に活動し、迅速に行動決定できる形が望まれる。7)FDには、教育改善への教員の意識改革、モチベーションを刺激する周到な情報公開の繰り返しが必要である。

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