フランスにおける大学教員職への準備教育制度―高等教育教員入門教育センター(CIES)における教育と学生の反応―

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  • The Training System for Future Faculty in France
  • フランス ニ オケル ダイガク キョウインショク エ ノ ジュンビ キョウイク セイド コウトウ キョウイク キョウイン ニュウモン キョウイク センター CIES ニ オケル キョウイク ト ガクセイ ノ ハンノウ

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抄録

本稿は、フランスで大学院学生を対象に行われている大学教員職への準備教育制度であるモニター制度について、その概要や運用実態、将来の高等教育教員の養成教育における役割、わが国のTA制度と比較した場合の特徴等を明らかにすることを目的としている。モニター制度の特徴と問題点は以下のように指摘できる。(1)モニターの任期の3年間で、大学教授職の職務内容や課題等について体験を通じて理解できる。(2)モニターは研修を通じて他の専攻領域の博士課程学生と交流を通じて知見を広めることができる。(3)助教授職を保障しないとはいえ、採用審査の際に有利に扱われる可能性がある。(4)大学側にとってもモニターを採用するメリットが大きい。その一方、中退・留年者が多く学生の指導が困難な第1期課程の担当となるため、モニターの負担が大きいこと、CIESの研修内容が必ずしも適切なものになっていないこと、モニターを指導するチューターからの指導・援助が不十分であることなど、多くの問題を抱えている。とはいえ、我が国のTA制度の改善策を考える際に、以下の点は参考になる。TAが業務を的確に遂行するために、必要な研修の機会を保障したり、教員等による指導・援助を行うこと、TAの活動を評価する仕組みを設けること、TAが高等教育教員として就職する際にTA経験を考慮することなどである。

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