工学を専攻する学生のための哲学教育

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  • Philosophy Education for Engineering Students
  • コウガク オ センコウ スル ガクセイ ノ タメ ノ テツガク キョウイク

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抄録

本稿の目的は、名古屋工業大学における哲学教育の内容を報告し、工学を専攻する学生に対する哲学教育の可能性と課題を明らかにすることにある。最初に、工学部の学生が抱く哲学と科学のイメージを調査したアンケート結果を示す。その調査によれば、哲学と科学とは関係がなく、哲学は文系の学問で各人各様の人生観や信念のようなものであり、科学は科学技術と同一視され、問題を解決し、生活に役に立つものとみなすのが、工学系の学生の多くが抱く哲学と科学のイメージである。次にそのような既成概念を打ち破ることをめざした「科学と哲学」と「工学倫理」の授業の目標、内容、方法を説明し、科学技術の社会的受容や発展には哲学や倫理の知が必要となることを、工学部の学生に身近なトピックを用いて伝える重要性について述べる。そして、筆者が専門とする古代哲学が、哲学や科学に関する学生たちの先入観を変更するような歴史的な視座を与え、対話の能力を活性化することによって、工学部の学生の哲学教育に寄与できる可能性を論じる。

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