地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)の現状と期待

書誌事項

タイトル別名
  • Implementation and Expectation on Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development Program, SATREPS

説明

<p>地球規模でますます顕在化してきている環境・エネルギー(気候変動、地球規模の環境課題、低炭素社会・エネルギー)、生物資源、防災、感染症などの課題、特に開発途上国が直面している課題の解決に向けて、わが国は2008年に非常にユニークな仕組みの取り組みを開始した。地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development Program : SATREPS)である。科学技術協力機構(JST)と国際協力機構(JICA)がともにサポートするプログラムで、相手国からの要請に基づいて行なう政府開発援助(ODA)として実施する。具体的には、我が国の大学や研究機関等の研究者が相手国からの要請課題の解決に向けて当該国の研究者と一緒に共同研究を行ない、課題解決のための科学的新知見や新技術を追究し、その結果を実際に応用して課題の解決に貢献する、いわゆる社会実装を追求するところに、純粋に真理を探究する科学的共同研究とは違う特徴がある。また、この共同研究を通じて、相手国人材の学位取得や技術研修による人材育成だけでなく、わが国の若い研究者が将来国際的に活躍できるように途上国での経験を積ませる人材育成も重要なコンポーネントとなっている。本稿では、2008年に開始されすでに9年が経過したSATREPSの仕組み、応募・採択・実施の現状を概説し、特に生物資源領域で採択された27課題(2016年の条件付き採択4課題を含む)を概観した上で、今後の展望と課題について筆者の経験から考えるところを述べたい。</p>

収録刊行物

  • 農学国際協力

    農学国際協力 15 2-10, 2017-03

    名古屋大学農学国際教育協力研究センター

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