中国半乾燥地の常緑針葉樹(Juniperus sabina)における葉からの露吸水

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タイトル別名
  • Foliar uptake of dew by an evergreen shrub (Juniperus sabina) in semi-arid areas of China
  • 中国半乾燥地の常緑針葉樹(Juniperus sabina)における葉からの露吸収
  • チュウゴク ハンカンソウチ ノ ジョウ リョク シンヨウジュ(Juniperus sabina)ニ オケル ハ カラ ノ ロ キュウシュウ

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抄録

乾燥地植物において夜明け前から早朝にかけて葉面上に発生する露を葉から吸収しうるのかを明らかにするため,中国半乾燥地原産の常緑針葉樹Juniperus sabinaを対象としてその鱗片葉に水を与え,前後の重量変化から吸水量を推定する実験を行った。葉の水ポテンシャルと気孔開閉が様々な葉に対し,霧吹きで水を噴霧あるいは全体を沈水して水を与えた結果,吸水前の葉の水ポテンシャルや気孔開閉などの条件に関わらず,ほぼすべての実験において葉からの吸水が確認され,吸水量は水を噴霧した葉よりも全体を沈水させた葉の方が多かった。これらのことから,葉表面から葉内への水ポテンシャル勾配を駆動力としない,気孔開口部以外の孔辺細胞やクチクラ層を経路とした吸水が行われていることが示唆された。したがって,J.sabinaは気孔を閉じている夜明け前に葉面上の露を利用可能であると考えられた。

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