外向型・内向型における注意機能特性と情報処理スタイルの関連性

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  • ガイコウガタ ナイコウガタ ニ オケル チュウイ キノウ トクセイ ト ジョウホウ ショリ スタイル ノ カンレンセイ

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抄録

社会的な対象や場面における認知を取り扱う社会的認知研究は,人や物に代表される社会から提供される情報に対して,個人がどのような認知や思考のプロセスを用いて情報処理を行うかについて認知的アプローチからプロセスを解明するものである(大島・北村,2004)。  この社会的認知の枠組みの中で行われている日常での情報処理特性に関する研究の中で,近年特に注目される研究としてEpsteinら(e.g.,Epstein & Pacini, Denes-Raj, Heier, 1996 ; Epstein & Pacini, 1999 ; Pacini & Epstein, 1999)による情報処理スタイル(Rational-Experiential Thinking Styles)研究がある。これまで社会的認知の領域では,二重過程モデル(たとえば説得の精査可能性モデル(Petty & Caccippo, 1984)やMODEモデル(Fazio, 1990)など)の概念が多く提案されていた。Epsteinら(e. g.,Epstein, 1994 ; Epstein et al., 1996)は,それらをパーソナリティ理論にまで発展させた認知的経験的自己理論(Cognitive-Experiential Self-Theory : CEST)を提唱した。情報処理スタイルは,この理論に基づく概念であり,判断や意思決定に個人差を生じさせる包括的なパーソナリティ特性と考えられている(内藤・鈴木・坂本,2004;豊沢・唐沢,2004)。  CESTにおいて日常での判断や意思決定の個人差は,理論やルールを重視する分析的な「合理システム」と,勘や過去の経験を重視する全体的な「経験システム」の活性化レベルの差によって生じると考えられている(Epstein & Pacini, 1999 : 豊沢・唐沢(2004)を参考にまとめたCESTの両システムの詳細をTable1に示す)。

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