ニンニクりん茎の自発休眠、他発休眠および呼吸速度に及ぼす収穫後温度の影響

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タイトル別名
  • Effects of Temperature During Postharvest Period on the Endodormancy, Ecodormancy and Respiration Rate of Garlic Bulbs
  • ニンニク リンケイ ノ ジハツ キュウミン タ ハツ キュウミン オヨビ コキュウ ソクド ニ オヨボス シュウカク ゴ オンド ノ エイキョウ

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抄録

薬剤に依存しないニンニクの品質保持技術の開発に資する基礎的知見を得るため、ニンニク「福地ホワイト」りん茎の自発休眠、他発休眠および呼吸速度に及ぼす収穫後の温度の影響を調査した。りん茎の自発休眠は収穫時にすでに覚醒の途上にあり、収穫後の3週間の強制乾燥処理は覚醒をさらに促進した。自発休眠に及ぼす温度の影響(収穫後3週間、-0.5℃~35℃)を調査した結果、-0.5℃および15℃条件は自発休眠の覚醒を遅らせた。一方、25℃以上の条件は自発休眠の覚醒を促進し、その効果は35℃条件で最も高かった。他発休眠に及ぼす温度の影響(強制乾燥後9週間、-2.5℃~35℃)を調査した結果、芽は15℃、根は10℃条件で最も伸長した。芽、根の伸長はこれらの温度より低温および高温になるほど強く抑制され、-2.5℃および35℃条件ではほぼ完全に停止した。貯蔵中のりん茎の呼吸速度は、20℃~30℃の範囲では温度上昇とともに低下し、呼吸速度は涼温(10℃~20℃)より高温条件(25℃~35℃)で低かった。このような特異な呼吸特性は収穫後約3週間の間に獲得された。以上の結果から、収穫直後に行うニンニクの乾燥条件としては、自発休眠の維持の観点から、産地における現行条件(約35℃)より低い、25℃~30℃条件が望ましく、貯蔵条件としては、自発休眠と他発休眠の両方に対して高い維持効果をもつ氷点下条件が望ましいと考えられた。

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