スイカにおける軟X線照射花粉の受粉後の普通花粉受粉による種子形成

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  • Watermelon (Citrullus lanatus) Seed Formation by Pollination with Normal Pollen Following Pollination with Soft X-ray Irradiated Pollen

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抄録

軟X線照射花粉(部分不活化花粉)を利用した種なしスイカを生産するにあたり、昆虫による普通花粉の受粉を防ぐために雌花に袋かけ等を行っている。我々はこの労力を削減するために、雌花が蕾である開花前日に部分不活化花粉を受粉する方法を開発した。これにより昆虫によって後から受粉された普通花粉の授精を妨げることが期待された。そこで、本研究では部分不活化花粉を開花前日に受粉することで、開花日における普通花粉の受粉による種子形成を妨げることが可能かどうか検討した。スイカ果実内の種子の数は、部分不活化花粉を普通花粉より先に受粉することで減少したが、部分不活化花粉を受粉した30時間後に、普通花粉が受粉された場合でも種子が形成された。果実内の種子は果実の中央部から花痕側の部分の方が、果梗側の部分よりも多かった。また、部分不活化花粉の受粉後に普通花粉を受粉するまでの時間が長くなるにしたがって、花痕部側における種子割合が多い傾向があった。部分不活化花粉の花粉管の伸長速度は普通花粉よりも遅く、部分不活化花粉を前日に受粉した場合よりも、開花当日に普通花粉を受粉した場合の方が早く子房の下部に到達した。以上のことから、部分不活化花粉による種なしスイカの生産には、開花前日の受粉であっても昆虫による普通花粉の受粉を防除する必要があった。

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