理学療法による血圧の変化

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タイトル別名
  • Responses of blood pressure to physical therapy
  • リガクリョウホウニヨルケツアツノヘンカ

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抄録

理学療法は血行動態に影響を与え,脳心血管病のリスクとなる可能性がある。本研究は,理学療法による血圧の反応を明らかにし,過度の血圧上昇を惹起する因子を検討することを目的とした。急性期脳卒中および整形外科手術で入院し,離床を目的とした理学療法を施行した23人(69±11歳)を対象とし,第1日,2日,7日の理学療法施行前後で血圧を測定した。理学療法により収縮期血圧は128±118から139±16mmHgへ上昇し,血圧の上昇は体重(P<0.01)や施行前の脈拍数(P<0.05)と相関していた。ロジスティック解析において,過度の収縮期血圧上昇(第四分位)を規定する因子は年齢と体重であった(P<0.05)。以上より,離床に向けての理学療法により血圧が上昇することが明らかとなった。この上昇は体重や理学療法施行前の脈拍数と相関し,高齢者と肥満者は理学療法による過度の血圧上昇の高リスク者である。

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