集運材用半調製式架空索道に関する実験的研究

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タイトル別名
  • Experimental Study on the Compromised Cable Way System for Skidding and Hauling
  • 集運材用半調整式架空索道に関する実験的研究
  • シュウウンザイヨウ ハンチョウセイシキ カクウ サクドウ ニ カンスル ジッケンテキ ケンキュウ

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抄録

この論文では,固定式架空索道と調整式架空索道を折衷した方式を想定し,これを半調整式架空索道と名づけ,現在の集運材用架空索道にもっぱら採用されている固定式と比較しながら,主として実験的に集運材用としての適性を検討した. まず,荷重点軌跡に関する実験を行なった.理論的には半調整式架空索道の荷重点の軌跡は,調整錘の上昇しない最短の主索長における固定式架空索道の荷重点軌跡と,スパン中央に運搬荷重があるときの最長の主索長における国定式架空索道の荷重点軌跡との間に描かれる.実験的には主索の減力装置などの摩擦抵抗のために多少乱されるが,上述の理論的軌跡は近似的に実現することが明らかになった. つぎに,衝撃緩和に関する実験を行なった.スパン中央において運搬荷重を急制動して止め,その際主索に生じる衝撃を衝撃係数の形でみるとき,固定式架空索道の場合も半調整式架空索道の場合も衝撃係数は主索の中央垂下比との関係よりはむしろ運搬荷重の走行速度との1次相関が顕著であった.通常の架空索道で用いる速度では,半調整式架空索道の衝撃緩和能力は固定式架空索道のそれに比較して著しく大きいことが明らかになった.さらに,上方支点における主索張力と曳索張力の変化を,静的状態と動的状態において実験して検討した.上方支点における曳索張力は運搬荷重が上方支点に近づくにともなって常に大きくなる.上方支点における主索張力は,固定式架空索道では運搬荷重がスパン中央付近にあるとき最大となる.半調整式架空索道では主索の減力装置などの摩擦抵抗によって調整式区間においても主索張力は一定とならないがその変動は小さい.諸条件が等しいときは半調整式架空索道の方が固定式架空索道に比較して最大主索張力が小さいことが実験的に証明された.これらの実験により,半調整式架空索道は固定式架空索道に比較して,主索の緊張度が等しいときは大なる運搬荷重を支持することができ,運搬荷重が等しいときは主索の緊張度をつよめて中間支点の乗り越しを円滑にすることができ,さらに不測の衝撃に対しても常に安全性が高いことが明らかになった.

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