含水率分布によるドライングセットの推定

  • 松清 幸司
    九州大学大学院生物資源環境科学府森林資源科学専攻生物材料機能学講座木質資源工学研究室
  • 藤本 登留
    九州大学大学院農学研究院森林資源科学部門生物材料機能学講座木質資源工学研究室
  • 小田 久人
    宮崎県木材利用技術センター

書誌事項

タイトル別名
  • Estimation of the drying sets by distribution of moisture content
  • ガンスイリツ ブンプ ニ ヨル ドライングセット ノ スイテイ

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抄録

スギ等の心持ち柱芯の横断面内収縮異方性に伴う表面割れを防止する方法として,高温低湿処理が普及してきている.本処理は,表層にドライングセット(以下セットとする)を形成させ,表層部の接線方向収縮を抑えることにより,割れを防止するものである.その際,高温処理時間を決定するために,セットの状態を処理段階で把握することが重要となる.本研究では,含水率分布よりセットを推定することを目的に検討を行った. 乾球温度120℃湿球温度90℃で乾燥を行い,乾燥開始から3時間後(乾燥初期),10時間後(乾燥中期),17時間後(乾燥後期)のセットの推定値と実測値を比較した.その結果,セットの推定値、実測値についても以下のような傾向が見られ,値もほぼ同じになった.すなわち,表層1層目は乾燥初期に強い引張セットが形成され,その後乾燥中期,後期と乾燥が進むにつれて引張セットが減少するとともに,表層2層目,3層目については乾燥初期から乾燥中期において引張セットが増加した後,乾燥後期にかけて減少する傾向を示した. 以上,高温低湿処理において,含水率分布測定によるセット推定の可能性が示唆された.

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