人工膝関節置換術において,脛骨コンポーネント用髄外骨切りガイドは正面からみるべきである

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  • The Extramedullary Guide of the Proximal Tibia Resection Should be seen Straight in Front during Total Knee Arthroplasty
  • Extramedullary Guide of the Proximal Tibia Resection Should be seen Straight in Front during Total Knee Arthroplasty

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抄録

【目的】後十字靱帯温存型人工膝関節置換術では, 各症例の脛骨関節面の後方傾斜にしたがって脛骨中枢の骨切りの後方傾斜角度を決定する. シャフトに垂直な骨切りスロットを持つ髄外ガイドを使用した場合, 後方傾斜をつけるためにガイドを後方へ傾斜して設置するが, ガイドを外側から見た場合, ガイドが脛骨長軸に平行に設置されたと見えた場合でも実際は内反位に設置されている可能性がある. 本研究では, 術者がガイドを見る角度とガイドの後方傾斜角がガイドの内反傾斜角に与える影響を数学的に検討した. 【方法】3次元の座標を設定し, X軸は前方方向, Y軸は横方向, Z軸は縦方向とした. 脛骨長軸をZ軸とし, 髄外ガイドを示す線をZ軸とねじれの位置に引いた. ねじれの位置にある線をそれぞれ, X-Z面, Y-Z面, X-Y面上に投影した線を使用し, その線が二軸になす角を用いて, 後方傾斜角(X-Z面上のZ軸に対する角), 術者のX軸より外側へずれた視線の角度(X-Y面上のX軸に対する角)および正面から見た場合の髄外ロッドの内反角(Y-Z面上のZ軸に対する角)の3つの角の関係を方程式にて表現し, 後方傾斜を設置し, 術者の視線が10度, 20度, 30度外側へずれた際にねじれの位置にある線がZ軸と平行になる場合のガイドのZ軸からの内反角を算出した. 【結果】後方傾斜を10度つけた場合ガイドの正面から外側へ10度, 20度, 30度ずれてガイドを見てガイドが脛骨長軸と平行に見えた場合, 実際にはガイドは内反し, その角度はそれぞれ1.8度, 3.7度, 5.8度であった. 【結論】シャフトに垂直な骨切りスロットを持つ髄外ガイドを後方傾斜をつけて設置する場合, 術者は膝とガイドを正面から見るべきである.

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