樹液流計測と切り木実験により推定したQuercus serrataの蒸散量の比較

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  • Comparison of transpiration for Quercus serrata estimated based on the sap-flux method and measured based on the cutting-tree experiment
  • Comparison of transpiration for Quercus serrata estimated based on the sap‐flux method and measured based on the cutting‐tree experiment

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抄録

樹液流計測は樹木蒸散を推定するために広く用いられているが、環孔材樹種で用いる際の推定精度に関しては十分に検討されていない。コナラ(Quercus serrata)は日本を含む東アジアの温帯林に広く分布する環孔材樹種である。本研究では、樹液流計測(グラニエ法)で推定した樹液流量と切り木実験により得られた吸水量を比較することで、コナラへの樹液流計測の適用可能性を評価した。樹液流量は切り木実験による吸水量と高い相関を示し(r=0.985, p<0.05)、樹液流計測は樹木蒸散の日変化を計測できることが示唆された。しかし、その回帰直線の傾きは1.84となり樹液流計測は実際の蒸散量よりも過小評価していることが明らかとなった。以上の結果より、グラニエ法による樹液流計測は、コナラの蒸散を推定可能であるが、正確な蒸散量推定のためにはキャリブレーションを行うことが必要であると示された。

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