スギ人工林における間伐が下層植生の現存量と林床の被覆状態に及ぼす影響について

  • 井手 淳一郎
    九州大学持続可能な社会のための決断科学センター
  • 孫 昊田
    九州大学大学院生物資源環境科学府環境農学専攻
  • 岡部 憲和
    九州大学大学院システム生命科学府システム生命科学専攻
  • 鄭 聖勳
    九州大学大学院生物資源環境科学府環境農学専攻
  • 大槻 恭一
    九州大学大学院農学研究院環境農学部門森林環境科学講座流域環境制御学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A preliminary investigation on the effects of thinning on biomass of understory vegetation and floor cover percentage in Japanese cedar plantations
  • スギ ジンコウリン ニ オケル カンバツ ガ カソウショクセイ ノ ゲンソンリョウ ト リンショウ ノ ヒフク ジョウタイ ニ オヨボス エイキョウ ニ ツイテ

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抄録

間伐が下層植生の現存量と林床被覆率に及ぼす影響を検討するため, 福岡県飯塚市の弥山試験地のスギ人工林において, 間伐後3年が経過した本数間伐率50%と35%の間伐区と林冠が閉鎖した無間伐区のそれぞれに試験プロットを設置し, 主として草本類から構成される下層植生の丈および重量と林床被覆率を調べた。その結果, 間伐率が高くなるにつれて下層植生の生重量と乾燥重量は増加することが示された。また, 間伐区で抽出された下層植生の丈は大部分が50cm以下であり, 最大のものでも86cm であった。これらの結果は, 間伐によって林内の光環境が改善されたことにより丈の低い下層植生の地上部現存量が増加したことを示唆する。林床被覆率についてはいずれの試験区も高い割合(89%~100%)を示したが, 林床要素の構成割合は試験区間で異なった。間伐区では下層植生が, 無間伐区ではリターが林床被覆率に大きく寄与していることが示された。

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