九州大学北海道演習林のカラマツ林焼失地(地表火)における初期植生

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タイトル別名
  • Initial stage of post-fire vegetation in burned Larix kaempferi artificial forest at the Ashoro Research Forest, Kyushu University
  • キュウシュウ ダイガク ホッカイドウ エンシュウリン ノ カラマツリン ショウシツチ(チヒョウ カ)ニ オケル ショキショクセイ

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抄録

2015 年5月3日に発生した山火事で焼失した九州大学北海道演習林9林班において,焼失当年の2015 年9月3日と翌年の8月24 日に植生調査を実施した。隣接する非焼失地でも対照地として2015 年9月3日に調査を実施した。対照地のカラマツ林の林床ではミヤコザサが優占したが,焼失後もミヤコザサの優占度は高かった。しかしながら,焼失直後には植物の枯死による光環境の改善や,地表のリターの欠落により,ミヤコザサ以外の植物の出現が可能になったと推定できる。また,多くの植物が出現できたのは,焼失初年度にミヤコザサの伸長成長が悪かったことも影響している可能性があり,これらの要因が重なって焼失地における種多様性を引き上げたと考えられる。山火事後に新たに出現した種には,一年草やハギ類が含まれており,日本各地の山火事跡地植生との共通性が認められた。しかしながら,焼失後もミヤコザサの優占度が高い状態になっており,後継の樹木種の侵入もほとんど認められなかったことから,この山火事跡地を放置すればミヤコザサ群落が長期間にわたって継続される可能性がある。

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