同一モーラの連続における連濁

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  • Rendaku Across Duplicate Moras

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抄録

同一モーラが二つ連続する場合の連濁に関して,先行研究には次のような二つの主張が根強くある。「カレ+ススキ(枯れ薄)」のように同一の摩擦音モーラが二つ同形態素で連続する場合,連濁は起こらないとされている。さらに,もし連濁が起こるとしても,「キズ+ツケル(傷つける)」のように二つの同一モーラが異なる形態素にまたがって連続する場合は,連濁は非常に起こりにくいと主張されている。とはいえ,いずれの主張も統計的な証拠によっては一度も確証されておらず,「言語学的都市伝説」と見なさざるを得ない。この論文では,連濁データベースに基づいた統計的分析を通して,先行研究における「連続するモーラ」に関する主張への裏付けは極めて貧弱で,放棄すべきであると論じる。

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