The Classification of Compounds in Baseline/Elaboration Theory: Focusing on Japanese Compound Verbs

Bibliographic Information

Other Title
  • 基底と精緻化から見た複合語の分類 : 日本語複合動詞を中心に
  • キテイ ト セイチカ カラ ミタ フクゴウゴ ノ ブンルイ : ニホンゴ フクゴウ ドウシ オ チュウシン ニ

Search this article

Description

本研究はLangacker(2016)で提案された「基底(Baseline)」と「精緻化(Elaboration)」という概念に基づいて,複合語の新たな分類基準を提示するものである。具体的には,本研究は複合語には「並列関係」「概念付加」「概念操作」という3つのタイプがあることを主張し,日本語のV1-V2型複合動詞のデータをもとに,「主要部」「生起順序」「生産性」の面において,タイプごとに違いが見られることを示す。 基底と精緻化理論を用いることで,主要部を基底としてとらえることができる。「飛び跳ねる」のような並列関係型はV1とV2の両方が基底=主要部であり,「叩き壊す」のような概念付加型は空きスロットを持つV2が基底=主要部,「読み始める」のような概念操作型は精緻化を受けるV1が基底=主要部となる。生起順序の問題については,並列関係型は意味的・形態的に対等のものでないと成立できない。概念付加型は基底となる概念が何らかの概念的な空きスロットを持っている必要があり,付加物はそのスロットに適合するものでなければならない。概念操作型の場合,基底は概念操作の精緻化を受けられるものに限られる。複合動詞に見られる生起順序の制限はこのようなタイプごとに異なる制約によってできたものだと考えられる。概念操作型について,本研究では『国語研日本語ウェブコーパス』という超大規模コーパスを用いることで,その概念同士の相互結合可能性を明らかにする。また,統語的アスペクト複合動詞と語彙的アスペクト複合動詞に見られる違いについても,それが部門による違いではなく,意味的な違いであることを明らかにする。複合動詞の生産性については,『現代日本語書き言葉均衡コーパス』のデータに基づく分析で,並列関係型が生産性を持たないのに対し,概念付加型は低い生産性を持ち,概念操作型は比較的高い生産性を持つことを示す。

Journal

References(1)*help

See more

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top