引用・伝聞の「って」の用法

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タイトル別名
  • A descriptive study of the quotative particle tte
  • インヨウ デンブン ノ ッテ ノ ヨウホウ

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説明

1 いわゆる引用の助詞とされる「って」には,大きく分けて引用・伝聞・提題・強調の4つの用法がある。(ここでは,前2者をあつかう)2 引用の「って」は,発話・思考を提示するものがもっぱらであり,「と」にくらべると用法は限定されている。3 伝聞の「って」は,「って」が単独で用いられるものと,「(ん)だって」「(ん)ですって」のように複合辞的に用いられるものとがある。4 「(ん)だって」「(ん)ですって」は,いわゆる伝聞(情報伝達)と伝聞の確認(情報確認)の2つの用いられ方をする。これらは,それぞれ情報伝達および情報確認における流れを乱さないように用いられる。いわゆる「伝聞」は,伝聞だけを表すのでなく,伝達・確認というはたらきも合わせ持っている。5 一方,よく似たかたちで,「(ん)だって」「(ん)ですって」という複合辞が存在する。これには,意外・驚きを表すものと,発話をそのまま提示するものとがある。それぞれ,引用・伝聞両方の特徴を持っているが,前者は伝聞的な性質が強く,後者は引用的な性質が強い。

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