Understanding the Meanings of Proper Nouns by JSL and JFL Learners during Passage Comprehension Processing: Focusing on Contextual Clues
Bibliographic Information
- Other Title
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- 文章理解過程における日本語学習者の固有名詞の意味理解 : 文脈的手がかりに着目して
- ブンショウ リカイ カテイ ニ オケル ニホンゴ ガクシュウシャ ノ コユウ メイシ ノ イミ リカイ : ブンミャクテキ テガカリ ニ チャクモク シテ
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Description
本研究は,人名,商品名,会社名,店名などの12の固有名詞に関して,中国国内の大学で日本語を専攻する中国人学部生30名,日本国内の大学で学ぶ中国人学部生と日本人学部生各10名を対象に調査を行った成果である。また,本研究では,読み手の文章理解過程を可視化するため,文章を読みながら口頭で母語に訳しつつ,問題になっている語について質問に答えてもらう方法を用いた。質的分析の結果,次のことが明らかになった。まず,中国人日本語学習者について,①固有名詞の習得には滞日経験が影響していることが示唆された。②滞日経験があると,経験的手がかりなどの「内容的手がかり」の使用が活発になる傾向が見られた。③滞日経験があると,語の意味を知らなくても正しく推測できる能力が若干高まる傾向が見られた。次に,日本語母語話者について,①6割が固有名詞としての「アクセス」を,5割が「馬車道」を知らず,かつ推測もできなかったが,10人全員が「アシスト」は知らなかったが推測はできた。②母語話者は固有名詞に関する知識は中国人日本語学習者より豊富であるが,その知識は特定の文脈で使われている限定的な意味の選別には負の働きをすることもあり,最終的に,意味推測に失敗した例も見られた。なお,中国人日本語学習者,日本語母語話者を問わず,固有名詞の解釈プロセスの特徴として,ガーデンパス文的な「再解釈」というパターンも観察された。
Journal
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- 国立国語研究所論集
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国立国語研究所論集 (14), 125-143, 2018-01
国立国語研究所
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Keywords
Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390290699744755584
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- NII Article ID
- 120006381944
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- NII Book ID
- AA12536262
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- ISSN
- 21861358
- 2186134X
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- NDL BIB ID
- 028864245
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- IRDB
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- Abstract License Flag
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