書誌事項
- タイトル別名
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- On the "negative usage" of motto
- モット ノ ヒテイテキ ヨウホウ ニ ツイテ
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説明
「もっと」は通常,程度性を持つ語を修飾する。そのため,従来「もっと」を含む比較表現は,程度の大小関係を表すものであると考えられてきた。しかし,実際には程度の大小関係を表すとは言えない働きを持つ場合がある。本稿では比較基準の状態に注目して「もっと」を2つに分類し,「もっと」には「程度用法」と「否定的用法」という2つの用法があることを述べる。「程度用法」は二者の程度の大小関係を表すのに対し,「否定的用法」は一方を否定しもう一方を適当な値として捉える働きを持つものであり程度の大小関係を表さない。それぞれの用法における相違は,単に意味だけではなく,韻律や構文においても見られる。またこのような相違は,「もっと」の使用条件にも影響を及ぼすものである。更に,「もっと」を含まない比較表現においても程度の大小関係を表さない場合があり,このとき「もっと」の「否定的用法」と同様の意味・構文的特徴を持つことを述べる。
収録刊行物
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- 日本語科学 = Japanese Linguistics
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日本語科学 = Japanese Linguistics 15 5-21, 2004-04
国立国語研究所
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390290699744864896
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- NII論文ID
- 120006595291
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- NII書誌ID
- AA1113775X
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- NDL書誌ID
- 7013089
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
- CiNii Articles