書誌事項
- タイトル別名
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- On the Change of the Concept of Jing-Ji inTranslation between English, Japanese, and Chinese
- チュウゴクゴ ニホンゴ セイヨウゴ カン ノ ソウゴ デンパ ト ホンヤク ノ プロセス ニ オケル ケイザイ ト イウ ガイネン ノ ヘンセン
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説明
古漢語「経済」の元々の意味は、「経世済民」、「経邦済国」であり、「政治」に近い。日本は古代より「経世済民」の意義で「経済」を使ってきた。近世になって、日本では実学が勃興し、その経済論は国家の経済と人民の生活に重点が置かれた。近代になると、さらに「経済」という言葉をもって英語の術語Economyを対訳する。「経済」の意味は国民生産、消費、交換、分配の総和に転じ、倹約の意味も兼ねる。しかし、近代の中国人学者は、「経済」という日本初の訳語に対してあまり賛同しないようで、Economyの訳語として「富国策、富国学、計学、生計学、平準学、理財学」などの漢語を対応させていた。清末民国初期、日本の経済学論著(とりわけ教科書)が広く中国に伝わったことや、孫文の提唱により、「経済」という術語が中国で通用するようになった。しかし、「経済」の新義は「経世済民」の古典義とかけ離れているばかりでなく、語形から推計することもできないから、漢語熟語の構成根拠を失った。にもかかわらず、「経済」が示した概念の変遷は、汎政治的汎道徳的な観念が中国においても日本においても縮小したことを表している。
収録刊行物
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- 日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要
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日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 31 159-190, 2005-10-31
国際日本文化研究センター
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390290699747379584
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- NII論文ID
- 120005681573
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- NII書誌ID
- AN10088118
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- ISSN
- 24343110
- 09150900
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- NDL書誌ID
- 7856306
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDLサーチ
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可