J・S・ゲール牧師の韓国での宣教活動について : 韓英辞典の編纂作業も含めて

書誌事項

タイトル別名
  • The Missionary Activities of Rev. James Scarth Gale in Korea
  • J S ゲール ボクシ ノ カンコク デ ノ センキョウ カツドウ ニ ツイテ カンエイジテン ノ ヘンサン サギョウ モ フクメテ

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抄録

本稿は、一九世紀末に韓国に来てキリスト教の宣教活動をしたカナダ人牧師J・S・ゲールについて書いたものである。J・S・ゲール牧師は西洋人の韓国宣教活動を考える上で大変重要な人物で、一八八八年韓国に来て一九二七年帰国するまで、約三〇年間韓国で活躍をしている。J・S・ゲール牧師の韓国での活躍をまとめると次のようなことがあげられる。

まず取り上げられるのはキリスト教の宣教活動である。彼は一八八八年韓国に入国して以来元山やソウルで宣教活動をしており、韓国におけるキリスト教の伝道に大きく貢献している。

次に挙げられることは、韓国での聖書翻訳である。彼は、朝鮮の「聖書翻訳委員会」のメンバーとして聖書の韓国語翻訳に関係しており、一八九〇年初め頃他の宣教師と一緒に新約聖書を韓国語に訳している(出版は一九〇六年)。さらに彼は一九〇四年から一九一〇年にかけて旧約聖書も翻訳し、一九一一年にこれを出版している。

もう一つ挙げられるのは、彼が韓国の文化や言語、生活などを研究し、これらの成果を西洋に紹介したということである。彼は韓国に来てからすぐ韓国語を覚え、韓国の古典や漢文で書かれた文書まで読めるようになった珍しい西洋人でもあった。

最後に挙げられることは韓国語の辞書編纂である。J・S・ゲール牧師は、一八九七年に『韓英字典』(A Korean-English Dictionary, James Scarth Gale, 横濱、京城耶蘇教会刊)を発刊しており、一九一一年にはこれの増補版である『韓英字典』(A Korean-English Dictionary)を、一九三一年には『韓英字典』を大幅に増補した『韓英大字典』を出している。これらの辞書には当時の韓国語の語彙が忠実に反映されており、当時の韓国語の語彙を知る上で重要な資料として評価されている。

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